土地でつくられる建築

2019/01/28

第3回:素材を集める

2月24日は連続講座「『土地でつくられる建築』を考える」の第3回が開催されました。
今回のテーマは「素材を集める」。

これまでの講義で取り上げてきた建物のひとつである、スケボーパーク「CDP」(仙台市若林区荒浜)でのフィールドリサーチをとおして、「土地で作られる建築」を構成している素材を見つめていきました。

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当日は、小雨が降る寒い日。ただ、雪ではなかったため、2月の仙台にしては暖かい日だったと言えます。震災遺構となった仙台市立荒浜小学校に集合し、講師である小山田陽さん(建築家)と岩澤拓海さん(建築家)と一緒に、CDPに歩いて向かいます。 CDPのオーナーである貴田慎二さんに迎えられて、さっそく参加者それぞれに「CDPを構成している建築素材で気になったもの」を写真に撮っていきました。 大人が真剣にあれこれ見つめている一方で、子どもたちは不思議な空間に大はしゃぎです! 後半は、荒浜小学校4階交流活動室にて、参加者が撮影した「気になる建築素材」について発表し合いながら、CDPオーナーの貴田さんに「どうやって手に入れたの?」とその素材の履歴をヒアリングしました。

 

≪ドーナツ型の丸い石≫
貴田さん:これは津波で流れてきた漂流物のひとつ。重すぎて一人では運べないし、「何かに使えるかも…」と、そのままにしています。子どもたちがスケボーに関係なく、遊んでますね。

 

≪入口の木製看板≫
貴田さん:これはスケボーの板(デッキ)を活用したもの。デッキはたいてい1~2カ月で駄目になってしまうので、短期間で不要になるデッキは多いんです。それを引き取って、看板やベンチの制作に役立てています。

 

≪破片??≫
貴田さん:ここは茶の間だった場所。ここでは「砂利」として扱っていて、コンクリート片だったり瓦の欠片だったり。「何かに使えるかも」と思って取っておいています。この中にある大量の瓦は、CDP利用者でリフォーム業を営んでいる方がいて、大震災後に瓦屋根の破損被害が多く、壊れた瓦の処理に困っているということだったので、うちで引き取りました。持ってきてもらったのは、4トン分!ここは、本来は合板で覆われていたけれど、板が腐って穴が開いたので剥がして、中身が丸見えになった状態。

小山田さん:リフォーム業者からすれば、経費は運搬費だけで、処分料がかかっていないわけだから、貴田さんに活用してもらって有難かったかもしれないですね。

 

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≪木製のステージ≫
貴田さん:一緒にパークづくりをしているOさんが勝手に作ったもので、前日は何もなかったのに、次の日に来たら普通に設置してありました(笑)。木材は登米の森林組合から、商品にならないものをもらってきました。登米の森林組合では、良い木材が出ることが多い。だから、良いのが出た時には、登米に住んでいる知り合いのスケーターに頼んで、確保してもらっています。

小山田さん:「勝手に作った」ということもそうだし(笑)、材料を確保するためにパーク利用者が動いてくれるのもそうだし、このCDPが複数の力で成り立っていることが、素材のあり方にも反映されています。

 

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このような形で、合計13の素材について貴田さんから素材の履歴をうかがいました。貴田さん曰く、「スケボーパークとして、『こういうセクション(滑る際の構造物)があったらいいな』という希望を、利用者が伝えてくれます。パークのオーナーとして、それを実現するためにどういう素材が必要か、日々考えて、いろんな人に伝えたりしていると、『こういう材料が余っているよ』と教えてくれるようになるんですよね」とのこと。第2回「俯瞰する」で分析されたような、素材の「多様さ」「取得範囲の広さ」「複数人の関わり」という点を改めて感じた今回の講座でした。 オーナーの貴田さんのお話はユーモアにあふれ、素材の意外な取得方法に参加者の皆さんとともに驚きと面白さを感じながら、楽しくCDPにおける「土地で作られる建築」の姿を深めることができました。 CDPオーナーの貴田さん、そして講師の小山田さん、岩澤さん、ありがとうございました!

 

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